外断熱の家 Q&A

山三伊藤工務店が建てる「外断熱の家」について、

よくあるご質問にカテゴリー別にお答えしております。

Ⅰ 工法について

Ⅱ 高気密・高断熱住宅について

Ⅲ 換気について

Ⅳ エアコンについて

Ⅴ その他

Q1 内断熱工法のメリット・デメリットを教えてください。

内断熱工法は、発泡プラスチック系や天然系繊維などの断熱材を、柱と柱の間に入れる工法です。

最大のメリットは、コストが安いことです。

中でも断熱材の主流となっているグラスウールは、安価で施工が容易なため、コストを安く抑えることができます。

しかし、内断熱工法は柱や筋交い、水道配管やコンセントといった断熱材のない部分が存在(全体の約20%)熱損失が生じやすくなります。

また、繊維系の断熱材は、最初は新しい布団のように弾力に富んでいますが、湿気を通すという欠点があります。年が経つにつれて徐々にしぼんで断熱性能が低下し、更には壁内結露の原因となり、住宅の寿命を縮める恐れがあり問題となっています。 

Q2 外断熱工法のメリット・デメリットを教えてください。

外断熱工法は、基礎から屋根まで建物の躯体断熱材ですっぽりと包み込む工法です。大きなメリットがありますが、デメリットもありますので理解が必要です。

【デメリット】

断熱材には一般に発泡スチロールや発泡ウレタンのボードが用いられ、屋根は二重構造となる等コストが高くなり、施工の工程が増えるため工期が長くなるのが欠点です。

また断熱材の厚み分、壁厚が増えるため重量のある外壁材など外装材に制約があり、使用できる暖房器具にも制限があります。

【メリット】

きちんと施工された外断熱の家は、高い気密性・断熱性を得ることができます。最大のメリットは、壁内結露が発生しにくく構造材がしっかり呼吸できるので、住まいが長持ちします。

断熱効果が高く、暑さ・寒さなど外気温に影響されにくいので冷暖房コストを安く抑え、快適な室内空間を実現します。部屋間の急激な温度差によるヒートショック対策としても有効です

一般的に夏は熱気がこもり、冬は厳しい寒さとなる小屋裏部屋も趣味部屋として使用したり、壁の厚みを利用してニッチ(飾り棚)や収納を設けるなど、スペースを有効活用できるのも魅力のひとつです。

Q3 断熱材がきちんと施工されているか、どこで判断したらよいですか?

内断熱工法のグラスウールなどは、壁の中に施工するので、きちんと隅々まで施工されたかどうかは施工業者の指導と自覚による部分が大きくなります。

外断熱工法の家は、外に張った断熱材がそのまま外壁の下地になりますので、外から不良箇所が無いことが確認できます。

当社では施主様お立ち会いのもと、第三者機関の気密測定士による気密測定を全棟実施しております。

きちんと施工された建物であるかは数値確認できますので、ご安心いただけます。

Ⅱ 高気密・高断熱住宅について

Q4「高気密・高断熱住宅」とはどのような家ですか?

高気密・高断熱住宅とは、気密性」「断熱性」を高め、「除湿」換気」つの要素がバランス良く設計・施工されることがポイントとなります。この要素のひとつでも欠けてしまうと、本当の意味での高気密・高断熱住宅とはいえないのです。

Q5「高気密・高断熱住宅」のメリットは何ですか?

実際に住んでいる方からは、
「結露がなくなった」
「カビやダニの心配がなくなった」
「遮音性が高いので、静かに眠れる」
「家中が暖かいので、活動的になれる」
「空気がキレイなので、健康になった気がする」
「各部屋の温度差が少なく、一年を通して快適に過ごせる」
「外の埃などが入りにくく、掃除の手間が掛からなくなった」という声をお聞きします。

Q6 気密性が高いと、結露しませんか?

現在の住宅は建物の気密性が高くなっおり、計画的な換気をしないで生活をしていれば結露が起こりやすくなります。例えば、石油ストーブで灯油を1リットル燃焼 すると 約1リットルの水分 が水蒸気として排出され、換気が不十分であれば結露してしまうのです。

結露を防ぐには、昔のように隙間風が自由に出入りする家で隙間から水蒸気を追い出すか、または家の各室の温度を一定に保ちながら、余分な湿気を計画換気で外に排出するかになります。

山三伊藤工務店では、住まい方に合わせた計画換気で室内の余分な湿気を排除しますから、結露の心配がありません。

Q7 気密性が高い家で冷暖房をすると、カビやダニが発生しませんか?

気密の高い家で換気が不十分だったり、温度差が大きく湿度が高いと”結露"を起こすのは当然の現象です。

カビやダニは高温多湿な場所が大好きです。結露状態続くとカビが生え、そのカビを食べるダニがどんどん増えて広がっていきます。そしてカビの胞子やダニの死骸、フンが喘息やアトピーなどのアレルギーを引き起こす要因となります。

健康的な住まいには「気密」「断熱」をしっかりとって、適切な換気を行なうことが重要となります。

Q8 気密性・断熱性を高めるためには、窓を小さくした方が良いですか?

窓は大きさよりも、どの程度の性能(断熱性、気密性)の窓を使うかが重要です。
ガラス面の断熱性は、壁の1/10程度ですから、この部分の断熱性を高める必要があります。

高気密・高断熱住宅では、2枚のガラスの間に乾燥した空気の層を挟んで、一般の窓の2倍程度の断熱性を確保したペアガラスを使用するのが原則です。

当社では、熱伝導率の低い樹脂サッシとLow-E複層ガラスの組み合わせで、防露性と断熱性に富んだ高性能断熱サッシを採用しております。

Q9 どんな暖房器具が使えますか?

室内の空気で燃焼し、室内に排気ガス(二酸化炭素等)を出す開放型の石油ストーブ、ファンヒーター、ガスストーブ」などは、酸欠や一酸化炭素中毒の恐れがありますので、絶対に使用しないで下さい

室内に排出しない「エアコン、電気ストーブ、パネルヒーター」などによる暖房器具を使用してください。

エアコンの場合は間取りにもよりますが、オープンな間取りであれば1フロアに1台で家全体を冷暖房することができます。エアコンの冷暖房可能表示面積の1.5倍程度を冷暖房できることを目安にして下さい。

Q10 室内で犬や猫などのペットを飼いたいのですが?

人に快適な住まいですから、ペットにも住み心地の良い家になります。
計画換気システムにより、動物特有の臭いも少なくなります。

Q11 洗濯物を家の中で干して、湿度は過多になりませんか?

洗濯物の量にもよりますが、一般的な家庭の量であれば 計画換気システムの効果で問題ありません。
家の中に干すのであれば、浴室や洗面所など「排気口」のある場所をお勧めします
薄手のものは一晩程度で、翌朝には乾いているようです。

Q12 冬は室内の空気が乾燥し過ぎになりませんか?

人によっては、やや乾燥気味に感じることがあるかもしれません。
この場合は、加湿器をかけたり、観葉植物生け花などを配置することで湿度調節を行うと良いでしょう。

Q13 防音性は良いのですか?

高気密住宅は遮音性が高いため、外部からの音は大幅に軽減されます。
その分、室内で発生する生活音、楽器やオーディオの音は同じ音量でも大きく感じるようになります。

床・壁・天井を吸音材や遮断材などで特別に施工する必要がある場合もあります。

Ⅲ 換気について

Q14 計画換気とは何ですか?

一般の住宅では以外と隙間が多く、換気が不十分で空気が入れ替わるまでに12時間以上が必要ともいわれています。

計画換気とは「常時、空気の出入り口を明確にして必要な量の新鮮空気を取り入れ、汚れた空気を排出すること」で、建物の気密性が高いほど計画換気は安定します。

具体的にはまず、外の新鮮な空気を寝室などの居室から給気し(入口)、人の呼吸や粉塵、建材から出るガスを含んで段々汚れていきながら一番汚れるトイレ、浴室、キッチン、化学物質ガスの滞留しやすい納戸から排気(出口)します。

給気・排気量をコントロールすることで、家の中の温度・湿度をほぼ一定に保つことが可能になります。

Q15 換気システムは一年中運転しなければならないのですか?

水も空気もよどみなく流れることで、その鮮度を維持できます。
換気システムは常時止めずに運転して下さい。

留守中も換気をすることで、帰宅時に空気がよどんでいる様な不快感を感じることもありません。家庭内での水蒸気や二酸化炭素、臭いなどを排出することで、人も建物も健康に暮らせます。しばらく留守になる場合は、弱モードに設定して、電力の消費を抑えると良いでしょう。

Q16 換気システムを常時運転すると、電気代は月にどれくらいですか?

換気システム「ルフロ」に必要な電気代は、常時通常運転83円/月ほどです。

ボリューム式コントローラーレベル2.5、35坪の住宅で0.5回/h以上の必要換気量(144㎥/h)を満たした時の消費電力は、約5.2Wです。

24時間×30日×0.0052kw×22円(新電力料金目安単価)=83円

Q17 換気システムのお手入れは?

換気ユニットは、1年に1回程度掃除をしてください。羽根にほこりがたまると、換気能力が低下し故障の原因となります。

Q18 天気の良い日は自然の空気を取り入れたいのですが?

窓を大きく開けて存分に自然の空気と陽光を取り入れてください

高気密・高断熱住宅は屋外の不快な温度、湿度、騒音、砂埃などの侵入をできるだけ少なくし、計画換気システムにより新鮮な空気を取り入れ健康的な空間を維持するというもので、窓を開けてはいけないわけではありません。

Ⅳ エアコンについて

Q19 夏と冬の間は エアコンを常時使用した方がよいですか?

高気密・高断熱住宅は保温性が高く熱容量が大きい(約3倍)ので暖まりにくく、冷めにくいという性能を持っています。

設備のランニングコストから考えると、急激に暖めたり冷やしたりすると、その立ち上げの度に多くのエネルギーが消耗します。

夏の場合は一度室内が高温になってしまうとエアコンなどで温度を下げることが難しくなります。夏にエアコンを外出時にも使用する目的としては、冷房効果より除湿効果のためです。

より快適にお住まい頂く方法のひとつとして、夏に外出する際は日射対策をした上で窓を閉め、室内のドアは開けた状態にして室内をひとつの空間にしてください。
こうしておけば帰宅した時に少し温度が高くても、室内が冷えるまでの時間は短くなります。

冬の場合は、暖房を間欠運転すると快適な室内環境にするためには時間がかかります。
エアコンはオンオフを繰り返さずに設定温度は低めでも1日中運転した方が快適で、かえってコストも安く済む場合があります。

適正な能力の設備を安定して運転することが一番コストの掛からない冷暖房の方法といえます。

Q20 床下エアコンとはどのようなものですか?

近年、大変ご好評をいただいております「床下エアコン」。床下エアコンとは?メリットとデメリットは?を分かりやすく解説します。

造付家具の中に、エアコンが納められています。通常の壁掛けエアコンは、夏季用として使用します。

ルーバー状の扉を開けた状態です。

メンテナンス時は、フルオープンでお手入れをしていただけます。


暖かい空気は軽く、上昇します。

この空気の特性を利用して、たった1台の普通のエアコンで家全体の暖かさをまかなう、というのが「床下エアコン」の真髄です。

床下エアコンを施工するには、

基礎断熱 「床下空間も室内」と考えられた工法。

高レベルの断熱性・気密性 優れた断熱性能、気密性能を保持する建物。

オープンな間取り 個室が多いと、基礎の立ち上がりも伴って多くなり、暖められた空気の流れを妨げる要因となります。吹き抜けや、間仕切りの少ないオープンな間取りなど、空気の流れを考慮した設計。

これらが必須条件となります。

〈床下エアコンのメリット

快適な暖かさ 床下からの輻射熱で足元から暖かく、体感温度も高く感じます。基礎断熱の床下空間はコンクリートの性質で、一度暖めた空気を蓄熱するのに最適な場所といえます。

家のどこでも暖かい 居室だけでなく廊下、脱衣室やトイレ、家中どこでも暖かです。キッチンや脱衣室、トイレなどの水まわりをタイルの床にするのもおすすめです。

光熱費がお得 エアコン1台の暖房稼働で、床暖房と比べて大幅に安く済みます

設備コストが安い 設置するエアコンは、単純なエアコン1台です。

床材の選択肢が広がる 床暖房では、無垢材は熱源の影響を大きく受けるため使えません。床下エアコンでは、床材に制限がなく無垢のフローリングも可能です

〈床下エアコンのデメリット

冷房に不向き 冷房運転では、床下結露の危険性があります。床下エアコンはあくまで暖房専用機となります。冷房用には別に、壁掛けエアコン(1フロアに1台)が必要です。

室温の微調整が難しい 一つの温度感知器で室温測定し、建物全体を暖めますので、少し寒い、少し暑い、と設定温度を変更してから反映されるまでには時間がかかります。温度設定は試しながら検討していく必要があります。

エアコンの保証が使えない メーカーが推奨する正しい使い方ではないので、保証適用外となります。

新築限定 設計段階からの計画が必要となります。後付け対応は出来かねます。

Ⅴ その他

Q21 建築中に、構造材が雨に濡れてしまったら心配になります。大丈夫ですか?

木材の細胞と結合している「結合水」を蒸発させた乾燥材は、その特質から表面が濡れても、木材の内部まで水分が入り込む恐れはありません。

屋根や外壁が塞がるまでに乾かせば、また元の状態に戻ります。

これは、構造材にきちんとした乾燥材を使う必要があるともいえます。

このように私たちは知識として持っておりますが、家の外部が塞がるまでの雨養生も、家づくりの大切なひと工程と考えており、構造材を出来る限り濡らしたくないと思う心情があります。

しかしながら、作業工程によっては雨養生が困難であったり、梅雨の時期や特に近年では突発的な雨や暴風雨により、一部または全面が濡れてしまうこともございます。

また、天候不順が続きますと「養生外し⇄大工工事⇄養生」の手仕事が繰り返し加わることとなり、作業工程が遅れることもございます。

ご理解のほどよろしくお願いいたします。

当社が構造材に採用しているひのき材について、詳しくはこちらから》